COLUMN

コラム記事

酒屋プレゼンの「シンプルな米麹造り体験」

2020年12月24日

酒屋プレゼンの「シンプルな米麹造り体験」

12/16(水) 10:00 ~ 12:00にて開催された、「梅小路醗酵所オリジナル】シンプルな米麹造り体験」。
先生は大阪の酒屋「酒高蔵」から、上田千咲代先生。
(プロフィールは是非、上記イベントページよりご確認ください。)

先日ご紹介している池島先生や北村先生のようにワークショップを実施したことがない中で、
酒屋だからお伝えできる「醗酵」ってなんだろう。を考えて
醗酵所でのワークショップ開催まで1ヶ月、
あーでもない、こーでもないと言いながら準備してきました。

資料を作るのも、皆さんの前で説明するのも、
ワークショップの申し込みフォームを作ったのも、
何もかも初めて。準備に準備を重ねてこの日を迎えました。

蒸しで使うセイロを説明する上田千咲代先生。実際にお米を蒸している様子もお客様に見ていただきました。

一言で「醗酵」や「麹」と言っても、
実際に質問されて、すべての人が答えられるものでしょうか。

そもそも
醗酵って何?なんで発酵じゃないの?
麹って何?効果はどんなものがあるの?

いろんなシンプルな疑問を、専門家ではなく、
「酒屋目線」で紐解いていきます。

この体験のメインは、米麹に命を吹き込む一番最初の工程「種付け」を行うというもの。
ワークショップ名にもあるように、このワークショップは「シンプルな麹づくり」です。難しいことは何もありません。代々受け継がれてきた麹づくりを「こういうことか」と気がついてもらうためのワークショップです。

種付けをする前に、まずはセイロでていねいに蒸しあげたお米を麹室の台の上に広げていきます。

最初は熱々なので、先生2人が温度を見ながら冷ましていきます。
その後、皆様が触っていただける温度になったら蒸米の柔らかさをチェックします。
これは十分にお米が蒸しあがっているかどうかのチェックです。

蒸しが十分でないとこの後で麹菌を降った後、水分不足や温度不足などで、上手く麹が繁殖しない状況が生まれてしまうからです。

麹室と外との温度差で外側のガラスが真っ白に結露しています。なんだか雪国で作業をしているようでした。

麹室の中では、麹が繁殖する温度と湿度と一定に保っています。
肌感的にはちょっと温度低めのサウナのような状態。
触っている蒸米も40度近くあるので、この中でしばらく作業をしていると汗をかいてくるほどの暑さです。

実際に麹菌をお客様の手で振って、お客様の手で混ぜる。
実際に自分で体験していただき、
麹の歴史と、麹の造りを知っていただくワークショップになったのではないでしょうか。

後日丁寧に仕上げた出来上がりの麹は、お客様が作った証として“杜氏名”を記入したラベリングでご自宅にお届けしました。

梅小路醗酵所スタッフたちのワークショップ開催はまだ始まったばかり。
いろんなことを試行錯誤しながら、梅小路醗酵所は「醗酵」を伝える場所であり、
多くのお客様と触れ合っていける場所になる。

そんな夢を私たちは持っています。