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コラム記事

製麹時間のススメ

2022年9月23日

製麹時間のススメ

製麹時間。

せいこうじ、じかん…?
勉強不足で読み方がわからなかった私ですが、こちらは「せいきくじかん」と読むそうです。

きく、と読むのは、漢字に菊が入っているからでしょうか。

意味は皆様のご想像通り、
麹を作る時間のこと。

一に麹、二に酛、三に造り。と言われる日本酒造りで一番初めの大切な工程である、製麴。

今回は、そんな「製麴時間」に着目した珍しいお酒のお話です。

群馬県にある、土田酒造株式会社。

こちらの酒蔵では、麹や酵母、菌など日本酒の新しい可能性を常に研究しており
画期的で新しいお酒を数多く作られています。

そんな土田酒造の、tsuchida99というお酒をまずはご紹介したいと思います。
日本酒で大事な材料は、米か? 水か? 酵母か?
という議論がよくされますが、
土田さんに言わせると、それは「麹」なんだそうです。

日本酒を飲んだ時の甘さや苦味などは、
お米のデンプンやタンパク質を麹の酵素が溶かした味であり、
その酵素の働き方によって味が全く変わるから、という理論。

ということは、麹が多くなれば自ずと酵素も多くなるため、
麹の入れる量でもお酒の味は変わります。

そしてTsuchida99という日本酒はそんな土田さんの哲学に基づき、
通常は約20%の麹と80%の白米を使って仕込むような所を、なんと麹を99%使用して作った。
というそれだけでもかなり前衛的なお酒なのですが、、

大事なのはここからで。

土田さんは、さらに考えました。
麹の量で味わいが変わるなら、麹を作る時間でも味が変わるはず。
これが、冒頭で言った「製麴時間」につながります。

同じお米と配合で、麹を作る時間のみを変えたこのセット。

スタッフの中でも気になる気になる!と話題となりましたので、
試飲会を行いました。

左から、29h/37h/41h/45h/49hとだんだん長くなる製麴時間。
感想は人それぞれでしたが、全体的にはどんどん甘みが増してくるといった様子で

甘い中にも苦味があったり強いパンチ力を感じたり、
意外とすっきり飲めるものがあったりと様々な違いを楽しむことができました。

さて麹が気になる皆様、きっと興味が湧いていますよね。
しかし販売したいのは山々なのですが、酒蔵さんの都合で1セットのみの入荷となってしまいました…。

そのため、今回は
180mlの詰め替えとして梅小路醗酵所限定で販売いたします。

1本 ¥680ですので、4合瓶よりはお買い求めやすいかと思われます。
5本セットで買うもよし、1本だけ楽しむのもよし。

売り切れ御免の少数限定ですので、お買い求めはお早めに。。

「 Tsuchida99 STUDY」

・原料米 :群馬県産 飯米(あさひの夢)
・精米歩合:70%
・仕込み水:武尊連峰伏流水(関東名水百選)
・麹歩合 :99%
・種麹  :焼酎用黄麹
・酒母製法:生酛
・酵母  :酵母無添加
・火入れ :1回
・保管方法:常温保管
※記載されている材料のみ使用。
 表示義務が必要ない添加物も不使用です。