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【レポート】酒蔵の出張麹作りvol.1 美吉野醸造

【レポート】酒蔵の出張麹作りvol.1 美吉野醸造

こんにちは、いつもありがとうございます。
梅小路醗酵所マネージャーの山口です。

全国の杜氏や麹のプロに、麹作りや発酵の話を教わる「酒蔵の出張麹作りproject」。

7/31(水)、第一回の講座を開催いたしました!

第一回 自然派編 美吉野醸造(奈良県)

本体験の記念すべき第一回のゲストは、
美吉野醸造(みよしのじょうぞう)の橋本杜氏と蔵人の永塚さん。

美吉野醸造は、世界遺産の吉野山と吉野川に囲まれた自然豊かな場所にあり、自然の持つ発酵の力を最大限に使いながら、酵母菌を添加しない完全無添加の『蔵付き酵母菌』にこだわって酒造りを行う酒蔵です。

今回の受講者には、麹のことは好きだけれど日本酒については全くという方が多数。

橋本杜氏にもその旨をお伝えしたところ、
「逆に今まで日本酒のことを知らない人にこそ、麹の違いや、酒造りの面白さを知ってもらいたいのでとても楽しみです。」
と、まさに今回のコンセプトにぴったりなお言葉をいただきました。

花巴の法被を羽織り準備も万端

今回のプロジェクトは、麹のことが好きな発酵ファンの皆様に
より広ーく、深ーい発酵の世界を知ってもらいたいという想いから、元酒屋ならではの人脈を活かして企画しました。普段聞けない「発酵のプロ」の生の声を聞くことで、新しい角度からの発見!があるかも?

と、そんなことを言いながら、かくいう私が、一番聞きたかったりして…。

夏ラベルバージョンの甘酒は大好評

まずは橋本杜氏の紹介から、美吉野醸造の特徴やこだわりについて少しづつ紐解いていきます。
東京農業大学醸造学科で酒造りを学び奈良吉野へ戻ったそうですが、
奈良県吉野は日本酒には欠かせない米が育ちにくい代わりに発酵保存食文化が根強いと気づいた橋本杜氏は
あえて自然の酸を解放する酒造りにたどり着いたそう。

花巴の麹で作った甘酒を飲みながら、麹作りについてのこだわりも聞いていきます。
できるだけ無添加にこだわり、「自然」本来の発酵の力を極限まで活かした酒造りの方法には発酵好きの参加者も釘付け。

みんなで米一粒一粒に麹菌をつけていきます

橋本杜氏の熱い話に、最初は着いていけるかなと不安な表情も見せていた皆さんでしたが、花巴の面白さが伝わるにつれて次々に質問が飛び交い、テンションもMAXに。

麹作りのこだわりや、醗酵所の麹との違いについてたくさん質問に答えていただいた後は、麹室に全員で入っての種切り。

特徴的な「そうはぜ」という麹作りのため、より多くの麹菌を使うとのことで今回はいつもの1.5倍の種麹を使いながら、麹作りのこだわりポイントをたくさん教えていただきました。

熱中症になりそうな蒸し暑さから解放された後は、発酵ランチとこだわり日本酒の飲み比べ。

橋本杜氏と一緒にランチを楽しむ皆さん

今回は、「自然淘汰」というこれまたこだわりの強いお酒をメインに4種類のお酒を用意していただきました。
どれもこれも「ナニコレ!おいしい!」と唸る人多数。
普段聞けない杜氏の話に、ランチを食べながら皆さん興味津々でした。

お土産に配られた花巴の梅酒をお勧めする永塚さん

そしてそしてお土産には、一人一本花巴こだわりの日本酒を使った「花巴梅酒」をプレゼント!
皆さんやはり飲み比べが気に入ったようで、お土産の他にも花巴のお酒をたくさん選んでおられました。

スタッフも私も知らないことがたくさんあり、大変学びになった第一回の講座。
改めて、今回予約して来てくださった参加者の皆様、そして美吉野醸造のお二方、誠にありがとうございました。
7月末の猛暑の中でしたが、奈良の自然を感じる夏のひとときを過ごすことができました。

参加者一部と橋本杜氏、蔵人の永塚さん

我々もまだまだ知らないことがたくさんある麹や発酵について、
杜氏から哲学や美学を学べるこのプロジェクト。

次回は9月あたりに発酵といえばあの人の講座を計画中…!
発酵のプロに学びたい方、必見です。


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