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梅小路醗酵所の麹が思いの外凄くてびびった。

梅小路醗酵所の麹が思いの外凄くてびびった。

梅小路醗酵所の米麹作りなどの協力をしている、ハッピー太郎と申します。

一昨年、醗酵所の上田さんから麹室を作っちゃうってお話を聞いた時、まずは「面白そう!」「ぶっ飛んでんな〜」とワクワク。
でも落ち着いて考えると「いやー、麹作りって思ったより大変だしな、社員さんの誰がやるの??いざとなったら寝泊まりしながら守りをする覚悟、強要できないしねえ。難しい時代だよ。」と半信半疑。
でも、上田さん、やっちゃいましたね。すごい糀室、作ってしまいました。


世界に一つの凄い麹室ができた。



こんな糀室、おそらく世界に一つしかないです、、、、。笑 店の中からも、外の道行く人からも、作業の様子が見えるって。イノベーションは、外部者から起こります。マジで。

麹作りの緻密なデザイン

そして昨年からこのような難しい世の状況になりました(今年もなお大変ですが)。開店は延期、でも真っ当でおしゃれな麹室は作っちゃったし(ぶっちゃけお金かかってると思うぜ)、やーめた!なんて言えない。でもね、その分、時間ができました。夏にしっかり時間をとって、醗酵所仕様の麹デザインを検討し、緻密なレクチャーができたんです。


常識破りの麹作り


課題としては、麹師の竹内さんが大阪から京都に通いながら作ることができるようにするということ。でも麹の品質が最高レベルであることは譲れない。「麹作りってつきっきりの寝ずの番なのでしょ」という常識を覆さなければなりません。テーマは3つ。

1 スマホでサポート!
さっすが今の時代ですよね。スマホに温度が通知される温度計があるんです。そして、それがグラフ化されて、共有できる。だから、早く課題を発見し、対応できるんです。

2 醗酵所に合う菌の選定!
麹を作る麹菌のことを「種麹」と言います。種麹販売を生業としている所は、全国でも両手くらいの数しかないと思うのですが、その中でも非常に歴史のある「菱六」さんが京都市内、梅小路醗酵所から自転車で行ける所にあるのです。

社員みんなで行きまして、菱六の助野さんからレクチャーを受けました。種麹といっても、何十種類?とあるんですね。その中から、菌を選定!菱六さんの菌は、比較的落ち着いた温度経過をたどる印象で、それが助かります。
また、菱六さんで普通ではない菌にも出会い、それが梅小路醗酵所の強みになっていくだろう、、、と思うのですが、またそれは次回お話ししましょう。

3 常識にとらわれない麹作り!
さて、よく言われる温度経過・道具では麹師竹内さんは帰れなかったり、眠れなかったり。これはよくない。作り手の健康が、作るものに現れてしまいます。必要なのは、
安定かつ柔軟な温湿度、ちょうど良い木箱、一定の量、常識的な温度経過は無視。
です。笑 特に最後のは企業秘密!

美味しさと美しさと。

色々考えたとしても、麹を使うときに高品質ではないと、意味がありません。とりわけ、麹は生き物ですから、ほって置いたら成長しすぎて、お料理で使うにはあまり望ましくない香味になってしまうこともあります。つまり、香味が美しい状態で使う、またはお客様にお届けしてこそ、最高品質の麹と言えます。


どうです。綺麗でしょ??

麹室環境は、日本全国の麹室設計施工で最も有名な日東工業所さんが最新の技術で用意してくれました。
「日本のすみずみまで麹室つくり45年」と書いてありますが、これ2004年時点での情報なので、60年くらいですね笑 酒蔵へ行くと、麹室の入り口に「日東工業所」のレッテルが貼ってあることを目にできます。注目ですよ。

そして今回、醗酵所オリジナルの設備として、「室温上げるのは当たり前、室温や湿度も下げることもできる」麹室の誕生です。

これ、すごいんです。

昔ながらの麹屋は、麹が出来上がったら、室の外に出しておくのですが、気温によっては麹が進んでします。
そうしますと、せっかく出来上がった麹が進んでしまったりして、「適期収穫」したことにならない。過熟になってします。

しかし、醗酵所の麹は「美味しい麹を美味しいままに」が可能な環境です。出来上がったら、室温と湿度を下げて、速やかに菌の成長を抑制することができます。これって、夢の機能なのですよ。

特設ブランコで甘酒ラッテを試してみて♪

おかげさまで、麹師竹内さん、職人気質の性格もあり、真面目に丁寧に麹を作ってます。
そんな彼女が作る麹を使用した、甘酒ラテがとても美味しいんです!

これを飲んで、ああ、竹内さんは麹師として大丈夫だな、そう思ったものです。嬉しい瞬間でした。

とても綺麗で滑らかな甘み。

これをぜひ、特設のブランコで、皆様にお楽しみいただきたいな〜♪

いかがだったでしょうか。梅小路醗酵所の麹の魅力、伝わりましたか?
梅小路醗酵所では、麹の販売もしております。どうぞお声がけください。

私もまた醗酵所に顔を出したり、ワークショップを企画したりします。
このご時世ではありますが、だからこそ、豊かな気持ちで過ごしましょう。ぜひ声をかけてくださいね♪
読んでいただきありがとうございました♪

【伝える人】 ハッピー太郎 / 池島幸太郎

酒蔵の蔵人12年の経験を活かして独立。麹をメインとした発酵食品工房を滋賀県彦根市で営む。
糀・味噌製造をメインとして鮒寿司なども製作。手前味噌の会では痒い所に手が届く解説で好評。発酵のコツを言葉にすること、発酵研究の文献探索、発酵職人探訪が好きです。